昆虫

蓑虫(みのむし)

今朝、庭先で「蓑虫(みのむし)」を見つけた。
最近、久しくお目にかからなかったが、我が家にも住み着くようになってくれた。

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ミノムシというと、
私には「枕草子」の次の一節が思い起こされます。

みのむし、いとあはれなり

鬼の生みたりければ 親のあやしききぬひき着せて・・・
イメージ 2

ミノムシといのは、ミノガという蛾の幼虫なのですが、
実はこの虫、蛾の姿になるのはオスだけで、
メスはイモムシの姿のまま、その親のあやしききぬ(蓑)の中で一生を終えるのです。

なので、親の姿(蛾)にまったく似ないことから、「鬼の子」と呼ばれました。

清少納言はこのことを知っていたのでしょう。
いとあはれなりと記したのも、もっともだと感じられます。

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そして、この節は最後にこう結びます。

「ちちよ ちちよ」とはかなげに鳴く。いみじうあはれなり

「鬼の子」である、そのミノムシが父を慕って、「ちちよ ちちよ」と鳴く様子が
とてもかわいそうだと。
実際には、ミノムシは鳴きません。

ミノムシがいる季節に「チチ チチ」と鳴く虫といえば、コオロギの仲間の「カネタタキ」という虫がいますが、
おそらく、このカネタタキの鳴き声をミノムシの「あはれ」さに例えたのだと思います。

清少納言が本当のところを知っていたのかどうかは、わかりませんが、

昔から、ケラの鳴き声をミミズの鳴き声だと言われてきたように、

日本人には独特の、そして「もののあはれ」を大事にする心があったのだと思います。
それはそうと、もうすぐ清少納言が「枕草子」に記した、もうひとつの虫。

ほたるの多く飛びちがひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのか にうち光りて行くもをかし。

の時期ですね。

また、楽しみがやってきます!

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