#長崎県

素敵な長崎弁—「もくろ」

「もくろ」  (むくろじ)

先日、長崎に帰った時のこと。

母親が、私に木の実らしきものを二個、手渡した。

イメージ 1
「こい、なんか知っとんね?」
落実して、かなり日が経っているので色が変わってしまっているが、

木になっている頃は、こんな色だそうである。
イメージ 2
「中のタネば、出してみんね」

というので、実を割ってみると、

イメージ 3
黒い、カチカチに固い種子らしきものが出てきた。
「こいは、もくろて言うて、このタネば、追羽根の黒い玉に使うとさ」
羽根つきの、あの羽根。
イメージ 4
これである。

ほお~、な~るほど!!

そういえば、子供の頃に遊んだ、あの羽根の玉もこんな感じだったなあ。

初めて知った。
調べてみると、正式には「ムクロジ」というそうである。

「もくろ」とか「もくろじ」と呼ぶ地方は、長崎以外にもあるようである。

また、この種子を包んでいる皮の部分(これが実である)には、サポニンを含み、

泡立ち、汚れを落とす作用があるので、古くから石鹸のように使われていたそうである。
ムクロジとは漢字で「無患子」と書き、

「昔、神巫(しんぷ)がその木でつくった棒で鬼を殺したので、鬼を追い払い、患いを無(なく)すと

 伝えられたからという」意味らしいが、

案外、石鹸のようにバイキンも洗い落としてくれることから、

子供が病気にならないように、という意味があったのかもしれない。
しかし、親から教わることは、まだまだいっぱいあるんだなあ・・・。
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