先日、長崎に帰った時のこと。
母親が、私に木の実らしきものを二個、手渡した。

「こい、なんか知っとんね?」
落実して、かなり日が経っているので色が変わってしまっているが、
木になっている頃は、こんな色だそうである。

「中のタネば、出してみんね」
というので、実を割ってみると、

黒い、カチカチに固い種子らしきものが出てきた。
「こいは、もくろて言うて、このタネば、追羽根の黒い玉に使うとさ」
羽根つきの、あの羽根。

これである。

これである。
ほお~、な~るほど!!
そういえば、子供の頃に遊んだ、あの羽根の玉もこんな感じだったなあ。
初めて知った。
調べてみると、正式には「ムクロジ」というそうである。
「もくろ」とか「もくろじ」と呼ぶ地方は、長崎以外にもあるようである。
また、この種子を包んでいる皮の部分(これが実である)には、サポニンを含み、
泡立ち、汚れを落とす作用があるので、古くから石鹸のように使われていたそうである。
ムクロジとは漢字で「無患子」と書き、
「昔、神巫(しんぷ)がその木でつくった棒で鬼を殺したので、鬼を追い払い、患いを無(なく)すと
伝えられたからという」意味らしいが、
案外、石鹸のようにバイキンも洗い落としてくれることから、
子供が病気にならないように、という意味があったのかもしれない。
しかし、親から教わることは、まだまだいっぱいあるんだなあ・・・。
.
この記事へのコメントはありません。