昆虫

アブラゼミとクマゼミ

以前、温暖化による土地の乾燥に伴い、ニイニイゼミが減ってきていることを紹介しましたが、

それとは逆に勢力を拡大しているセミがいるのをご存知ですか?

そう、シャアシャアとうるさいクマゼミ(長崎弁で「じゃごろ」)です。
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これまで、クマゼミの生息地域は関東南部から西の方でしたが、最近では

新潟や北陸地方でも目撃情報があるそうです。

当然、暖かいところに住むセミですから、温暖化は大歓迎。 

乾燥にも強いとされています。

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ところで最近、アブラゼミが少なくなってるそうですが、皆さんはお気づきでしょうか?

少なくなったと感じているのは、

多分、都会にお住みで、あまり山などに出かけられない方々ではないでしょうか?

現に、私がルークと出かけるいつもの山には、ちゃんとアブラゼミが鳴いています。

でも、天神ではほとんどクマゼミしかいません。

では、どういう理由からなのでしょうか。

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それは、温暖化対策の一環である、街路樹の整備にあると言われています。

ひとつは、

大きな木は、熊本などのクマゼミの生息地から運ばれてきたものが多いこと。

おわかりですね。 そう、根っこに幼虫がついたまま都会に運ばれていったのです。
そしておもしろいのは、ふたつめの理由。

都会で街路樹を植える際に、景観に配慮してポツポツと木々を離して植えたことが原因だというのです。
元々、都市を緑化するとセミは増えますが、一方でヒヨドリなどセミの天敵も増えるので

セミは格好のエサになってしまいます。

では、なぜアブラゼミだけが減るのでしょう。

それは、その逃げ方に問題があったのです。

クマゼミは襲われそうになると遠くに飛び去るので難を逃れるのに対し、

アブラゼミは近くの木に隠れる習性をもっているため、

木々の間隔が広く、隠れる葉が少ない都会ではヒヨドリなどの天敵から逃げ切れないと言われています。
この傾向は、最近では都市緑化に力を入れ始めた大阪でもっとも顕著だと言われています。
田舎の緑濃い山では、アブラゼミばかりが減ることはないのです。
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今朝も、早くからクマゼミが鳴いています。

なんでもかんでも、地球温暖化と結びつけたがる人間たちを尻目に・・・。
みなさんもクマゼミを見つけたら、

「よっ! 逃げ足の遠いヤツ」とか

たか飛びのうまいヤツ」なんて、呼びかけてやってくださいね。

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