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2012年 最初の朝駆け—「くじゅう」あとがき

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先日のくじゅう。

朝焼けは見れなかったが、その後の青空と残雪が楽しい山行を演出してくれた。

あっという間だったけど、都合8時間弱の山歩き。

そりゃあ、もう楽しかった。

ここまでは、いつも通り。

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でも、下山して身支度を整え、

いつものように温泉に入って帰ろう、と思ったとき、いつもと違うことに気がついた。

そう、

「きづな」がないのである。

わかってはいた。

だから、「牧ノ戸」を後にし、

どこか立ち寄り湯がないか探しながら車を運転し、

とりあえず、暖かいお湯に浸かれば疲れもとれるだろうと、

一番最初にその看板を見つけた、

西鉄の「花山酔」で汗を流した。

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清潔感溢れるホテルマンの、

型通りの挨拶と隙のない案内。
見た目は申し分のない、奇麗なお風呂。

広さも、景色も十分。

でも、なにか満たされない。
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私の「くじゅう山行」。

それは、広大な九重連山を堪能し、下山後、元「きづな」のご主人に山での土産話をすること。

そしてご主人は、いつもにこやかな笑顔で、それを聞いてくださる。

それが、ひとつのセットになっていて、

それだけで、

私の「ココロ」は満たされたのだ。

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結局、「人」なんだ。
泉質や設備じゃなく、

その名の通り、

「きづな」が、

日ごろの胡散臭い、無味乾燥な毎日を忘れさせ、洗い流してくれたのだ。
あゝ、

新しい「きづな」を見つけなきゃ、

くじゅうの山々からさえ、足が遠くなりそうだ。

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